- IQ(知能指数)
- IQ(知能指数)とは、認知能力を標準化して表す得点で、平均100・標準偏差15になるよう設計されています。同年齢の集団の中で自分がどの位置にいるかを示す相対的な指標です。
- 偏差IQ
- 偏差IQとは、同年齢の集団と比較して「100 + 15×z得点」で算出する現代のIQ方式です。古い比率IQに代わって、ウェクスラー式をはじめ今日のほぼすべての知能検査で標準として用いられています。
- 比率IQ
- 比率IQとは、「精神年齢 ÷ 生活年齢 × 100」で求める歴史的なIQ算出法で、おもに子どもに用いられました。成人では精神年齢が頭打ちになり破綻するため、現在は偏差IQに置き換えられています。
- g因子(一般知能)
- g因子(一般知能、g)とは、さまざまな認知課題の成績に共通して現れる中心的な能力のことです。異なる知能検査の得点が互いに正の相関を示す事実から導かれ、IQが測ろうとする中核とされています。
- 流動性知能(Gf)
- 流動性知能(Gf)とは、未知の問題をその場で論理的に推論し解決する能力で、知識に依存しません。20代前半〜半ばでピークを迎え、その後はゆるやかに低下していきます。
- 結晶性知能(Gc)
- 結晶性知能(Gc)とは、語彙や一般知識など、経験を通じて蓄積された知識を活用する能力です。流動性知能とは対照的に60代頃まで上昇を続けるのが特徴です。
- パーセンタイル(百分位)
- パーセンタイル(百分位)とは、自分の得点が全体の何%の人と同等以上かを示す値です。たとえば90パーセンタイルなら、上位10%に入っていることを意味します。
- 標準偏差
- 標準偏差とは、得点が平均からどれだけばらついているかを示す尺度です。ウェクスラー式IQの標準偏差は15で、IQ115は平均より標準偏差1つぶん上にあたります。
- 正規分布(ベルカーブ)
- 正規分布(ベルカーブ)とは、左右対称の釣鐘型の分布で、多くの人の得点が平均の近くに集まり、極端に高い・低い得点ほど少なくなります。IQはこの正規分布に従うよう設計されています。
- 平均
- 平均とは、全体の得点を合計して人数で割った中心的な値です。IQは定義上、平均がちょうど100になるよう標準化されています。
- 標準化
- 標準化とは、大規模で母集団を代表するサンプルに対して検査を実施し、得点の基準(平均や標準偏差)を較正する手続きです。これによって個人の得点を他者と公平に比較できます。
- 年齢別基準化(年齢ノルム)
- 年齢別基準化とは、同じ年齢の集団を基準として得点を換算する方法で、どの年齢でも平均が100になるよう調整されます。そのため幼児でも高齢者でも、IQは同年齢の中での相対的な位置を表します。
- 信頼性
- 信頼性とは、検査の結果がどれだけ一貫し、再現可能かを示す指標です。クロンバックのα係数などで評価され、値が高いほど測定誤差が小さく安定した検査といえます。
- 妥当性
- 妥当性とは、検査が測ろうとしているもの(ここでは知能)を実際に測れているかどうかを示す指標です。信頼性が高くても妥当性が低ければ、別のものを正確に測っているだけになります。
- レーヴン漸進的マトリックス
- レーヴン漸進的マトリックスとは、図形のパターンから規則を見抜いて欠けた部分を選ぶ、言語を使わない推論検査です。流動性知能(g)を測る代表的な課題として広く用いられています。
- CHC理論
- CHC理論(キャッテル・ホーン・キャロル理論)とは、認知能力を一般知能・広域能力・狭域能力の階層で説明する、現在もっとも有力な知能の理論モデルです。多くの現代的な知能検査の設計基盤になっています。
- ウェクスラー式知能検査(WAIS / WISC)
- ウェクスラー式知能検査(成人用WAIS・児童用WISC)とは、臨床現場で標準とされる代表的な個別式IQ検査です。標準偏差15を採用し、信頼性・妥当性の高さからゴールドスタンダードとされています。
- スタンフォード・ビネー知能検査
- スタンフォード・ビネー知能検査とは、初期に確立され今日でも用いられている標準化IQ検査です。標準偏差16を採用しており、ウェクスラー式(SD15)とは尺度がわずかに異なります。
- メンサ
- メンサとは、高IQ者の国際的な団体で、入会基準は98パーセンタイル(上位2%)です。これはおおむねIQ130以上に相当します。
- フリン効果
- フリン効果とは、20世紀を通じて各国で平均IQが上昇し続けた現象を指します。おおよそ10年あたり3ポイントのペースで上がっており、栄養・教育・環境の改善などが要因と考えられています。
- ギフテッド(英才)
- ギフテッド(英才)とは、一般にIQ130以上、すなわち上位およそ2%にあたる水準を指します。多くの英才教育プログラムでこの基準が用いられます。
- ワーキングメモリ(作業記憶)
- ワーキングメモリ(作業記憶)とは、情報を短時間保持しながら同時に処理・操作する能力です。流動性推論と強く結びついており、IQ検査の重要な構成要素のひとつです。
- 処理速度
- 処理速度とは、単純な認知課題をどれだけ素早く正確にこなせるかを示す能力です。ウェクスラー式などの主要なIQ検査で測定される指標のひとつです。
- 知的障害
- 知的障害とは、IQがおおむね70以下と平均を大きく下回り、かつ日常生活における適応行動にも明確な制約がある状態を指します。診断にはIQだけでなく適応機能の評価も必須です。